I love you/木屋 亞万
君を纏って眠る(君はいない)君の気配に包まれて
君は君の家に戻って、私も私の家に戻って
異なる日常で眠るのだから
身の回りにあるものの中で、今もまだ当たり前に存在し続けているもの
(とても少ない)
すべては当たり前を保てずに、そっと日常から消えた
いつまでも繰り返すような顔をして、日常はふと別人の表情をする
君とだって今は、日常的に会えるけれど
当たり前に会える日常は、いつまでも続く訳じゃないんだ
明日も(その明日もそのまた明日も)君と私は顔をあわせるけれど
いつかはなればなれになってしまう日が来る
電車に揺られていても、ごはんを食べていても、虚構の恋
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