高田開彦の告白/吉岡ペペロ
 

察官に車に押し込まれ簡単な書類を慌ただしく作るのを見つめるともなしに聞いていた。
警察官たちはまじめに働いていた。自分もかつてはそうであったように。
これからの数日間の取り調べを思った。
高田開彦の告白は彼に関わるすべての人間たちを人間不信に陥らせるだろう。
警察の同僚たち、家族、親戚、友人、近所の人々、この事件を知ったすべての人間。
彼を乗せた車が動き出した。彼はまるで自分が見送るような感じで彼を乗せた車を見つめ続けた。
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