幕切れ、予感/すみたに
 
 見つけることを理解していてほしい、
と、病室の壁に書かれていた

月、泉、風、音、声、あなたにしたこと
単語が並んでいるだけでそれがどれほど悪いことだったか、
浮かぶ景色が同じで     感じても、遅い、
              感じるのが遅い、
物がぐにゃりとぶら下がる、悲しむためのものすべて、
あなたにあって、私にないもの  それで全てが伝われば、

  なにも理解しようとせず
  耳ばかり大きくして、
  反響させていた、あなたの滴る音を。

けれども川の流れの傍では    橋の袂に掻き抱かれた
砂金を採る男と      彩り鮮やかなペンキの精霊が    
[次のページ]
戻る   Point(2)