幕切れ、予感/すみたに
見つけることを理解していてほしい、
と、病室の壁に書かれていた
月、泉、風、音、声、あなたにしたこと
単語が並んでいるだけでそれがどれほど悪いことだったか、
浮かぶ景色が同じで 感じても、遅い、
感じるのが遅い、
物がぐにゃりとぶら下がる、悲しむためのものすべて、
あなたにあって、私にないもの それで全てが伝われば、
なにも理解しようとせず
耳ばかり大きくして、
反響させていた、あなたの滴る音を。
けれども川の流れの傍では 橋の袂に掻き抱かれた
砂金を採る男と 彩り鮮やかなペンキの精霊が
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