12月 雨の夜/あかり
濡れて
暗闇のさらに陰でしゃがんでいるあたしの前を
誰1人立ち止まることなく 過ぎてゆく
あたしはひとりだ
こんなにたくさんの人の中にいても
あたしはひとりだ
満たされることなく空っぽのまま溢れる
何も持ってはいない
あたしなんて「女」という凶器でも弱点でもある特権以外
もうなんにも持ってない
眉毛が マスカラが チークが落ちてゆく
メイクさえ奪ってゆく 夜の雨
唯一残された 小さな胸のふくらみを抱いて
あたしはかがんだまま
闇に同化されるのを恐れた 12月 雨の夜
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