とっぷり/AB(なかほど)
 
とっぷりとくれる
きょうのよるはきまえがいい

なのにぼくはねむれない


るるる と


初恋の頃の歌が聞こえてきました
耳を澄ますつもりはないのですが
それはもう
耳からではないところから
聞こえてくるので



めをとじると
こんやもあのよるとおんなじ

なんてうそぶき


帰る僕とすれ違う
幾人もの人たちがいます
彼らはこれから生きてゆくのか
生きてきたのか
そんなことは
今夜は昨夜までとは違い
明日の陽射しもきっと違っています




らいららい

といって
ぼくもとっぷりくれよう

とっぷりと


  
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