連作「新たな世界」/水瀬游
 
始まった 私とお前しか知らないしかし皆の為のプロローグ

血液は熱く輝きを放ち お前の体を真紅に燃やす

血液も凍てつくほどの戦慄を誘う眼差しと相対す夜

いにしえの化石が過ごす沈黙はその名を呼べば破られるだろう

「あの夕陽の下にエジプトがあるの」鳥取砂丘で君がつぶやく

この通りの家に住む者 正直物凡夫正直物殺人鬼

マネキンの手首を炒めてみたところで気分も晴れないし日も昇る

囚われた奴隷まどろみの中で孤独に耐えて瞳を燃やす

血も耐えて命も耐えてその後に何が生き残るか知っていた

立ち上がりこの大陸の向こうまで僕ではない僕に会いに行く

飢えていた思
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