慢性凡人病、「わたしは死にたい」/すみたに
一
この世で一番残酷なことは、
音も知らずに踊らされている、
幼い道化が道化と自覚するような
瞬間じゃないだろうか。
わたしがわたしと自覚して
しまうと死にたくなるんだ、
これは病気でない。
なぜならわたしは凡人だから。
さようなら、さようなら、
このありふれた<わたし>よ、
どこにでもある人よ。<わたし>は常に凡人だ。
殺されてみなければ、
生きることの喜びが掴めぬことなどないだろう。
未来のことを考えるほどわたしは愚かではない。
二
あれもこれも
求めて後悔し続
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)