ティーカップ/和田カマリ
潰れたボーリング場の裏にある
公園のベンチでいちゃついていた
高校生のカップルを
ボコボコにしてやりました
男のほうは
口から血の泡を吹いて
小声でフガフガ言っていた
壊れたおもちゃみたいに
「お俺は悪うない・・俺は悪うない・・」
女のほうは俺に
オッパイを握りつぶされて
乳首から変な汁を出していた
声一つもあげられないで
(心の中)タスケテ!お母さん、お母さん
「ヨイショ!お母さんはいつも肩が凝っていたから、
俺はいつも一生懸命だったね。」
それから
どこをどう歩いたのか
気が付いたら誰かの家の
裏庭に据え付けられていた
古くて大きな洗濯機
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