街の明りは溢れだす/灰泥軽茶
風が冷たい
身体が冷たい
だけれども街から溢れだす明りは
なんだか暖かそう
溢れ出す人々は優しそう
私がぽそぽそとつぶやく
他愛のない言葉に
そうだよねと
頷いてくれているようだ
私は誰でもないのに
街の明りは知っているよと照らしてくれる
本当ならばあなたの淋しい心を
暖めてあげたいのだけれどと
イルミネーション光彩放ち
真実の影を呼び起こしてくれる
その真実の影はわかりきったことだけれどと
とんとんと肩を叩き
ひとりじゃないよとぽそぽそつぶやく
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