ある時友達が欲しいなら、と言われた/すみたに
アイスコーヒーが、溶けた氷に薄まる。
その前に飲みきろうとするわたしに、
オカマ野郎が、友達が欲しいだけでしょ、と言った。
もう両手が、袋に包まれていた。
わたしは口を苦くして、コーヒーの甘味に救われた。
丁度その頃、演劇を書き始めた。
それから台本は書きあがり、一人で稽古も積んだ。
わたしができるのは、独り芝居だった。古代ギリシャを愛していた。
しかし開演後、思いもしなかった、転落、ワイヤーは長過ぎた。
それから侮辱が始まった。それは、
真実を見抜いたふりする、つまらない言葉たちで幕を開ける。
やさしげ
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