リリィと、彼に捧ぐ/
かのこ
僕・・・僕ね、この鼻をさ、リリィにあげちゃうよ。
リリィ、君はまだ生きてるかな。
リリィは鼻は持っていなかったけど、
火薬のにおいをしっかり嗅ぐことができた。
愛してるって何度も繰り返していた。
僕が、リリィだったら良かったのに。
鼻も胸も髪の毛も、
焼け落ちて。
僕はリリィがいなかったら、
こんなにも死ねなかったよ、たぶんね。
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