異国の浜辺で/
すみたに
驟雨降らるる海潮音 白む薄やみ夜明けまえ
浅く曲折 砂に続いた足跡辿り
この世は不幸
なのですかと思いひとりごち
風がさっと背を撫でる
その先で
裂けていく ふたつの出会う足跡
寂淋たる浜辺 歩く足音
ひとつ、
いくつあってもひとつ
鴎追いやる船警笛 正体見えず寂れ町
低き波浪は 小舟棺桶
わかめ巻きつけ流し去り
黒ずむコンクリ防波堤
誰が残した焚き火あと
ポッケのマッチで火を熾し
鬱たる羊歯の如く 煙広がる浜辺歩く足音
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