純粋な絶望/瀬崎 虎彦
 
愛してるという言葉で
何を伝えられるだろう
愛しているということの意味を
その響きに見失っていないか

回転する孤独の中で
君は息を吐いた
君が息を吸った

ありふれた未来のまがまがしい
純粋な夢を
純粋な絶望を

言葉に包んで届けるだけのための詩だった
ぼくはそんな詩人だった
朗らかで優しく穏やかな
人になりたくてなれたなかった
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