大人の扉/
キダタカシ
昨日汚れた
白い食器
それをシンクに
溜めたまま
母は朝から
テレビゲーム
理想の親を
想像しながら
幼いボクは
小さな身体で
大きなため息
一つ吐く
でも
「まあ、居るだけで
有り難いのかな」
なんて
ちょっぴりニガイ
大人の扉を
叩いてみれば
暖かい朝日が
差し込こんで
こごえた心を
溶かしてくれた
きっと今日も
楽しい一日になるに
違いない
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