演奏会の夜/砂木
め
無言の輝きを ロウソクの台のように
この世のオリンピックの聖火台のように
命を燃やすために たたずませている
たとえ地震に合おうとも 聴かずにおくものか
雪で前が見えない中も 頑張って運転したのは
そこに音楽を伝える甥が 演奏しているから
林檎畑の音楽人
豪雪も 病気も 死も 音楽には敵わない
今年は ひとりでも演奏会を聴くつもりだったが
おっ と 私より遅れて夫もきた
今年初めて 演奏会を聴きに来た
どれどれと 甥を捜す
夫も 葉っぱ楽団のひとりになってきている
ソロのパート演奏が 所々に入る
奏者がたちあがり スポットライトがあたり
演奏が終わると 拍
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