なまなましい愛/HAL
所詮きみが失ったものは独りのおんなじゃないか
片腕を失った訳じゃないし
片足を切断された訳じゃない
きっと慰めの言葉にはならないのは
承知してるし凡庸だけれど星の数ほどおんなはいる
睨むなよ これでも励ましているつもりだぜ
俺のこと どう云う意味だ
あのおんなは俺に惚れていただって
でも俺はあのおんなにまったく興味はないぜ
約束するよ 俺はあのおんなとは付き合わない
それで気が済むなら何度でも言うよ
俺はあのおんなとは付き合わない
別れの言葉を言うときあのおんなは泣いたって
ほんとうにきみは恋愛に於いては幼稚園児並だね
おんなが計算なしで泣くと想うのか
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