ズボンをはきなおした/
瀬崎 虎彦
石段の上に腰を下ろして拾った柿を食ったら
随分まずくて捨てた
雲が途切れていく向こうの
群青の空
この静かな空間で
脳が死んでいくような気がして
おもむろにズボンを下ろして
パンツを脱いだ
小さなペニスが
グミの実のような
睾丸を従えている
精通はずっと遠い
このままでは風邪をひくと思って
パンツを上げズボンをはきなおした
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