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れ烏がひとり、濡れ烏がふたり……。頭の中まで黒ずんできたので勢いよく浴槽から出て、体も拭かず黒い裸形で少女の死体と対峙する。嫌気が差すくらい外が明るかったので雨戸を閉めると発光するキルリアン写真みたいな自分の体くらいしか見えない。目を瞑って、手探りで少女の膣を探し当てるが、切れ目を入れた太股であったり腹であったりしてなかなか容易に見つかるものではない。肉の抵抗を失ったものはすべて贋物であるが、贋物だかどうだかわからないのだから結局ほんものかだなんてどうでもいい話だ、あった。そのままずぶずぶと体を潜り込ませる。土竜のように。が、視界をなにやら光が遮っていて、どうしたことか、目をこじ開けてみると、口の中にまだ彼女の陰毛が残っていた。それに少女の死体が気づくと途端に膣痙攣を引き起こして、光がなくなってしまうまでおれを閉じ込める。地響きがする。あいつが気づいたのだ。おれは目玉を押したときのように頭の中に昼が起こりつつあるのを感じたが、それと同じように、ぴょこんと死体の膣から飛び出たおれのつま先が、どうにもそれを仕向けたのだと思えて、とりあえず彼女の子宮にキスをした。彼女はなにも答えない。
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