位置取り/HAL
 
けれど
それぞれにゴール板はあそこだと信じて
自分に鞭打ち背負う悲しみや淋しさを忘れそこを目指す

もちろんゴール板がそこだと信じているのは
だれもが同じでそこがゴールだと想いながら
どのひとよりも先にゴール板を切ろうとする

例えそれが間違っていても
遥か彼方にゴール板があると信じても
気がつけばゴール板を通過し果てるひともいる

言うまでもなくその真逆でもうゴール板だと
想っていたところがそうではなく
遥か果てだと気づきまだ先なのかと落胆するひともいる

だけどゴール板がだれにも視えないのは
神の非情ではなく神の慈愛であるはずなのだ
だからこそ英語では人生をRaceと呼ぶ
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