「君」を求めて/yamadahifumi
 
君の名を呼んでいる 誰かが

そっと、呼んでいる 誰かが

君は振り返る、その時

街路の中で ビルのてっぺんで

君は恋人との愛撫のさなかにも、その人の声を聞く

君は不安そうに天井を眺める

恋人は勘違いして「心配するな」と君を抱きしめる

だが、それでも君はその人の声を聴く

そして、君は遂にその人の元へと行く

君という失われた存在を取り戻すために

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