不平の肉塊、無為の空/ミネ
 
バカでなまけモノで
虫歯だらけでだらしなくて
おまけに足臭くて
口臭くてげっぷばかりで
なのにあいつは
人一倍、許される
誰にでも許される
こっちはめいっぱい
働いて、規則正しく寝て起きて
たまに休んで遊ぶと
あーだこーだ言われ
ダメだね、君は。なんて愚痴られ
尻をたたかれるのだ
と、叱咤していた昼食後
三段腹に化粧っ気もない
しかしある程度かしこそうな女らが
それらしい不平不満を、
しかしぶひぶひ狂ったような
不平不満にしか聞こえない
むなしい喘ぎを、
喧々囂々とする
涙か、汗か、唾なのか
得体のしれないものが飛来しまくるのだ

もう、苦しむのも祈るのも
阿呆らしくなって
ビールをぐびぐびと一杯

腐りかけた鳥の屍にむらがる
あざやかな日没、
あざやかな天辺、
鬼神や如来がみまごうほどに舞狂っていた
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