寄居虫/
鈴置友也
着かざりの甲殻類の魂が戦車に乗ってゆくところは
街の白いコンクリートのまぶしい場所
未来への憧憬をつめこんだ
尖った踵でポーズをとるおしゃれな街
見た目うつくしく頑丈でかたい貝殻に
隠れるための住まいをさがす寄居虫が
未来の花嫁をもとめに聚まる穴蔵。
ラガブーリンなんて
しゃれたスコッチを口に流して
酔っぱらわなくては心をゆるせないぼくらの
躰だけがかなしく車を乗りついでいる
かげろうの夜。
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