最後から二番目の雪/平井容子
 
溶岩のような心臓をどうか冷やすように努める
それは先のとがった歳月にいつか早鐘をそこで止め
なめらかな繊維の夜に横たわるときにはその作用も終わっている

黒いコードにまたがってこの四方山を飛ぶとき
かたときも離さないまま
そのことを忘れ笑みをほのめかす

音が止んで、




・05:59


印象のはなしをしようとして深くだまる
夜のまえで
火のまえで

もういちどこのことを抱こうとして深く傷をおう
星の普段を知り
ここは祭壇の一歩手前

構築と処理
深層の雪

内と外とは
いま、おなじこと
ふりあおぐものたち
たちまちに眠れ



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