蒼い思考 デッサン/前田ふむふむ
 
  
     
                   
ものを捨てる
なにかを捨てることに
ときにためらい うしろめたさを
感じながら
一方では恣意的な解釈を
遠いツンドラの泥土のしたに
かくして 
わたしのカラになった咽頭のおくを充たした
そうすることで
わたしは出自にたちかえった
その紙のような意識は
いまおもえば 
朝の一滴には ほど遠く 
わたしは灰色の空を
限りなく低く翳していた

沈んでいく 冬の街灯のひかり
ライトの下 くすんだ羽毛ふとんに覆われた 少女のような女が ビルの脇で横たわっていた 透けるほど白い頬 凍るかぜがふとんを叩いた 女は冷
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