アニマル パスウェイ/和田カマリ
込めたのよ
むせ返る暑さの中で
乗車率500%のその電車の
私のそばだけ空きが出来ていたわ
結構良い教訓だった
それからは電車に乗るときは必ず
ウンコの香水をふり掛けているの
セクシュアル・ハラスメント防止には
ある意味効果覿面だった
地獄のような幸運な経験だったわね
身体がたいして大きくない私は
アフリカではモテなかったな
あそこで何よりも評価されるのは
ズバリ体の厚みなの
暗闇で強姦されそうになったけど
「なんだ、ジャップ、薄すぎるよお前!」
なんて相手にしてもらえなかった
勝手に襲っといてからのダメだし・・
わたしムカつきが止まらなかったの
中東
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