声 ?デッサン/前田ふむふむ
眼の中の
草を刈る人たち
そのふむ土に
灰はあるのか
黒く固まる
もうひとつの眼
形状に
手をくわえれば
風
内部へと
身体を沈めていく
痛くはないのか
苦しくはないのか
鉄格子
素描された結界として
暗闇のすきまを
埋めている
その手
その耳
ためらわず
弓のように
ことばを打て
むく鳥
石のような意識
くちは空白をただよう
小舟でたわむれたのは
いつだったか
真昼の数字が
屈折するなかで
街に
空色の沈黙を
たてかける
葬られるものの
外部を
なお外部を
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