病床/村正
布団でまつ訪問者は
気まぐれで出ていった
不満は循環にやどる
孤独の添い寝に気がつく
ひとりごとはひとりじゃ、ないから
ふさいで側にいてくれ
視界の中で魚になる
自意識のホログラムをみた
電灯と天井の世界で
懐かしくきこえる声で
息継ぎを思いだす
不気味な色のケーキは
なによりも優しかった
気休めはもてあます
皮肉をぶつけては追い払え
歪まずとどいたそれに
黙りこんでしまう
コイントスだらけの世界で
布団でまつ訪問者は
気まぐれでかえる
頼りない呼吸と
手をつないでいる
孤独は気まぐれで出ていった
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