百葉人/灰泥軽茶
 
百葉箱をかぶった白衣の人が

歩いてやってきた

誰も気づかないのはなぜ

ベンチに座る私のところまで

つかつかつかとん

近づいて

そっと私の脈をとり

まだ大丈夫

と言って帰って行った

帰りぎわ

さっきまで

埋めつくされていた落ち葉は

一枚もなくなっていた


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