パズル/
三田九郎
風が吹き
道にぱらぱら
僕がこぼれていく
パズルが少しずつ
ばらばらになっていく
どこからか
埋められていくのか
見た目には
なにひとつ変わらない
足跡も
残骸も残されず
ひゅるひゅると冷たい風が
落ち葉を過去へと転がしていく
生まれ変わるということが
こんなことならたやすいのにね
すれ違った女の
後ろ髪の甘い香り
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