[:other/プテラノドン
歩道橋から
ひとりでに降りてきた
自転車の荷台には
期限切れの缶詰の山。
パイプ老人は痰を吐き出し
話題に上がるのは
幾ら値切ったとか、
踏み倒した事故処理と
レジの前で立ち往生していた連中を
落ち着かせるのに
じゅうぶんな、一つの
スケール。
―別れた後でも再び、
紙包みを取り出すとはまいったね。
願わくば、
夜霧もろとも吸いこんでほしい。
時計屋の娘はオープンカーから
身を乗り出し
一体いつまで?手品を
披露し続けた。
そして、空の缶詰の中で
野良猫たちが賑やかに
眠るあいだ
足音すら凍りつく
公園内に措いて
寝床となるのは
隆起した、
クレーターの数々。
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