気づき/木の若芽
 
「気づき」
                 木の若芽


きのうとはちがう今日が始まり
ああ 風がふく
きのうとはちがう風が
 
明るい空を吹き渡り
晴れやかな世界を吹き払う
風の音を聞いていたら
そのなかに飛び出していって
立ち向かったり 背中を押されたりしてみたくなった
なぶられきりもみしてみたくなった
風の大神みずからが吹かせる風になら

強い強い風のなかを
がんばりがんばり歩いてきた
ほっとして気づくと
なにかを風にさらわれてしまったよう
でもそのなにかがわからない

いたずらな強い風に飛ばされたのは
心かもしれない
夕方 やっと風がやみ静
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