下らない独白/HAL
もう分かっているだろうけど
ぼくには詩を詠む才はあると
これっぽっちも持っていない
ぼくの詩は詩ではない
詩と云うカタチを借りた
ひとつの質問だし
ひとつの疑問の提示だ
それに答えてくれるひとが
いるのではないかと細い願いに縋って
言葉を編んでいくけれど
どんな言葉を選んでも
結局はこの世界への
ささやかな問いかけに過ぎない
抗議文であったり
疑問文であったり
否定文であったり
批判文であったり
するだけのものだ
そう下らない独白と想ってくれて
ぼくは全然構わない反論もしない
もちろんこれは言い訳ですらない
だからこころに響く
詩
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)