ろうそくを見つめて/木の若芽
 
「ろうそくを見つめて」
             木の若芽


らせんをひもとく中に
火の遺伝子はあるのだろうか
清らかな水とやさしい気と豊かな大地の
きらめく遺伝子たちの中に
 
いのちをあたためる火は
どこにひそんでいるのだろう
木の そしてわたしのどこに

今日はろうそくの火を見つめて過ごしたい
その火を心の鏡に映しながら

ろうそくの火のまわりに
光の円ができている
そこに発されている神秘を
今のわたしは言葉にするすべをもたず
ただ見とれるばかり

ろうそくの炎をじっと見る
静かに 静かに
水のように燃える炎
この炎はわたしを焼くことはない
ただ真実を照らしてくれる
静かに 静かに
 
何にもかえられない 大切な出会いがある
人にも木にも 人と木を越えて


 

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