湿った風景/
TAROぱっく
山肌が白い霧に包まれた
湿気を含んだ僕の心は震えた
顔の表面はおびただしい冷や汗を纏う
手で触れるような見晴らしのいい
空にあった雲が山にしなだれかかり
柔らかく、次第に重みを増して
抱き締め返して欲しい
背中で交差する君の手と手
立ちすくんで
瞬きは頼りない
膝は所在なく
ぼくに「帰ろう」と言う
ぼくに「こっち」と強く
ぼくに「どうしようもない」と泣く
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