昼も夜も 星空の下/まどろむ海月
 
{引用=


  ?「ファンタジー」

昔の人にとって
地球が丸いのも
重い雨空の上が快晴なのも
青空の上が永遠の星空なのも
ファンタジーであったはず

生まれながら目の見えない人にとって 色彩の世界も
酸の濃度にしか反応しない微生物にとって 光の世界も 音の世界も
ミツバチにとっての紫外線の世界も 人間には
ヘビにとっての赤外線の世界も 人間には
ファンタジー

全電磁波領域のごくわずかな部分を
色光としてしか感知できない人間には
星空が奏でる 大宇宙交響楽の大部分が 認識できない

大地が平板なのも 天動説も
身分制社会も 五感がもたらす世界も

[次のページ]
戻る   Point(2)