世界が私のものだったころ/由比良 倖
 


夕方を左手首に編み込んで時の子供に猫を飼わせに


ベクターさんヒューマノイドの準備ですあと手術中は自傷禁止です


夢の声世界の終わりのサントラを小さくかけて冷たい眠りを


黒い花あなたの喉にときどき咲くね鳥にはそれが見えないらしい


メール便届けば明日明後日明明後日くらいの未来は信じてられる


テトリスで千年に一度出るって星のブロックハートのブロック


崖したに住めだってそれは素敵なこと潰されたいね二人いっしょに


夜にしか理解できない化学式 夢の中で焼いたラブレター


いい加減埋めたもの掘り返そうよあのカプセルたしか錆びるよ?
戻る   Point(8)