宝石/小鳥遊儚
 
口に含んだルビーを
少し、見せて
彼女は深い眠りへと向かった。
天蓋から垂れたベールの外に立ち尽くし、
私は窓から夜を見る。

月はあった。

もはや天体の月までもが、
彼女の言うままになるようだった。

自分以外の何もかもが、
彼女を深く愛しているようだ。

私はルビーが気になった。
一センチほどの赤い透明の石は飲み込まれたのかどうか、
確かめなければならないと思った。
しかし喉が動くところを見なかったので、
石は今も彼女の舌の上にあるように思う。
濡れていて、温められているだろう。

彼女は眠っているのだろうか。
私は動かない彼女の体を見た。
髪か
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