よわさ/
衣 ミコ
風に戸口を叩かれた冬が
一斉に開かれようとしている夜に
凍えるようなアスファルトを踏む
裸の爪先が何処かを目指してさ迷っている
たくさんの色彩に恵まれた
この祝福された大地で
夜の闇にさえ溶け込めずにいる
白いワンピース
私は声を掛けることもできず
震える細い背を見送って
温かい部屋に戻り
毛布を被る
そしてあらゆる感覚を落として
眠る
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