消されてしまった詩は舌の裏に隠されていた/すみたに
還り、天は噴火の勢いで跳ねあがった赤黒く輝く岩石に結晶してしまう。今朝の新聞紙で宣告されたわたしの皮膚癌、その時から明後日は一昨日より遙か昔になってしまい、生き残った感情はノスタルジーだけとなってしまった。モンタージュが白く焼け爛れて、原子爆弾が落下する瞬間が眼の前で延々と続く、黒い雨が降ってから、わたしは形象を手に入れられた。宵に点火された夢は夜明け前には爆発し、唇は震えながら何を伝えようとしているのか、お前は読み取ってくれるだろうか、その炯眼で、とこしえに終わる事のない百の都市計画を暴露したお前は、許されている、ガラス張りのビルに注射をすることを、さあ薬剤を打ちこむがいい、血を抜き取るがいい。書類についた紫色のインクの臭い、キスをした時お前の舌先からも強く臭っていた。わたしは一方、鉄屑、アルミ屑、金属片を万華鏡に入れておいて時折覗き、揃う時を待つことしかできない、だからとにかくわたしは空き缶を拾っていよう。
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