不整脈絡/木屋 亞万
ぷつぷつと泡立つホットケーキが甘い
立つもののない草原を歩くとき地を這う光草さえ隠す
田園の揺れる稲穂が聞いている友を刈り取る僕の鼻歌
スキップをするスリッパがスリップをするスリットのスキャンダラスさ
恋人がいないどころか人間を信じられないままでまた冬
風呂で寝るたびにスープになるような気がしてうなる追い焚きの音
やらかくてあったかいもの恋しくて羽毛布団に埋もれてムフフ
起きているのに「目覚めよ」とか言っちゃう哲学の道を歩けば僕も
内臓がないとおぼしきシルエットそんな身体に憧れはせぬ
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