泡沫/empty
 



僕の思慕の根柢には
無表情な錯誤が無限に痛罵とともに在り
/それは泡沫のように浮かんでは消える幻想としてのみ
なにか極限の調和を保っているように思え

存在全体を震撼させ
存在全体を交響させ
新しい共同を模索するかのように思われるのだ

それは瓦礫から生じる黒曜石のように
無から生じ無へと退却する一聯の動作のようにも思え
それが逆にあらゆる時を交響させるのだ
ありとあらゆる方位に向けられたその伝播が
一つに紐解かれることを意味しているのかも知れない
実際それは無限に変節する一つの場所であり
心の奥深くに刻印された一つの記号なのだ






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