解体される団地/
kauzak
がらんどうの箱
窓枠から向こうの風景が見える
いや
もはや窓枠ではなく
ただの開口部
風通しがよい
では済まされぬコンクリートの塊
荒涼としているのは
今にも泣きだしそうな曇り空だから
青空のもとなら
あっけらかんとしたオブジェに
は
見えないか
意味を剥がされて
それでも建っているかつての団地
ただそこにあるから恐ろしく
みな見て見ないふりをしている
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