不思議ちゃん無双/しもつき七
 




そんな事実まみれの話をしないで。


朝、光のふりそそぐ首都圏に溶けだしたチョコレートのせいで、つ
づいていく肥満児の行進。破綻した都市計画が描くメープルシロッ
プ、キャラメルポップコーン、吐きそうな甘い臭いのなかを、それ
ぞれ似合いの制服がわたっている。



狂っています。高層ビルだけかろうじて機関としての意味を保った
ままその巨体を聳えさせていたんだけど、膨張した重役たちが会議
室を圧迫して、それはいつか理科の授業でみた魚の解剖チック、


なんかもう、だめだった。破滅。だれもがその夕焼けっぽいことば
について考えはじめたとき、信仰とかが流行る
[次のページ]
戻る   Point(17)