ひとつの場所へ/empty
 

誰も止めずに


子音


かすかに聞き取れる指紋

無垢の転落


鳴り止まないカーテンコールのような

ただ時間だけが一途に

福音をうべなう



誰もいない廊下
柱時計の音だけがいやに耳にとどく

卓球台が幽霊のように整然と並んでいる

終わらない

まだ


真っ白な視界
廻っている


終わらない祈りが
ただ生を突き動かしている

そこにしか
無限はない


僕は記憶の引力を離れて
別の場所へ向かうことをねがう


戻る   Point(0)