ABEGG/しもつき七
 
を間近に感じる
なまぬるさと高湿



ねえ
時間はよく
砂に喩えられるけれど
わたしたちの時間も水気を含んだ砂が口いっぱい
昔に読んだあの小説と似ているね
わたしもいつかきみにとって
純文学みたくなれるといい
ありふれていたい
幸福がいい



きみのだいじなピアノを
ひとつ壊す
なにもかも楽譜になってしまって
伝えたいいくつものことが還元されている


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