Vaya Con Dias Amigo/HAL
 
来る日も来る日も嵐のなか
海が凪いた日はわずか数頁

そうかきみの航海はそれほどまでに
吹きつける風と雨のなかだったのか

行会いの関係の際に笑顔で手を振っていたきみは
旧友であるぼくに心配をさせたくなかったからか

こうしてきみの航海日誌を捲っていくと
凪いでる日はほとんどなかったかのよう

でもきみは嵐と嵐の間の稀なる穏やかな日には
満天の星々の位置を測り羅針盤も確かだと記す

やがて水平線から昇る太陽の光は
神々しいまでの美しい陽射しだと

太い文字で記している
そのような朝をぼくは

まだ知らないままに
違う海洋へ舵を切る

ぼくの航海日誌に
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