言葉を放つ/灰泥軽茶
同じ言葉でも
私が放つ言葉と
あなたが放つ言葉は違う
私が放つ言葉でも
時と場所でとても違う
しかし言葉は私に
それぞれ違う形や色を見せながら
少しずつゆっくりと
丸いボールのような私の心に
ヒタヒタとたまっていき
ひとつの魂を形どっていく
時にはただとおりすぎ
蒸発して雲になって雨粒ひとつ
ひゅうっと落ちてきて
私の頬を打ったとき
初めてわかる言葉や
時には放たれないままずうっと
静かな光を帯びて眠っている言葉もある
だから私は言葉を放ち
時には歌い
時にはずうっと念じて
言葉の感触を楽しむ
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