ミルキーミューズ/2012
湖
白い涙の湖に漂う月経の血
午後の光 午後の墓場
光は覚えている
忘れることを覚えている
少女はただ詩を詠い
海の香 潮の誘いに恋焦がれている
彼女は成長し
霊安室で慰撫されるシンデレラとなった
新しい明日、空を映す明日が
毎日のように呪わしかった
食い物にされる膨らみ
うち震えるつぼみ
彼女は湖に自らの骨を浮かべ
偽りのための偽りを重ねる
消失の波間で
少女はただ詩を詠う
止めよう 止めよう
永い鼓動を
陵辱の航路を舌でなぞり
命の全てを呪っている
戻る 編 削 Point(0)