下級のプライド/加藤
ひとりずつちがう場所から始まり
ひとりひとり同じ場所で歩いて行く
みんなが持っている決まった何かを持たないで
みんなが持てない不要なものを 抱えていた
子供のように怖がって
いつも私をこまらせた
醜い心はどうしようもなく身もふたもないことばかり叫んで
醜い下級はいつも平然と暮らした
誰でも同じ 誰でもそうでしょ
何度も何度も同じことを繰り返して ゆるされて
おこられもしなかった 教わりもしなかった
涙や 笑顔は なんのために あるのだろう
捨てられないものは まだいくつかある
捨ててしまったものに未練はないけれど
こわすことも作ることもしたくない
来るのを待ち 去るのを見守るだけ
感情を垂れ流し様子をうかがい
水とパンを食べて寝るだけ
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