影/
三田九郎
陽射しを浴び
並木道は影に染まる
暗がりは
木々の存在の証明だ
存在とは、結局
何者かに照射されて初めて
浮かび上ってくるものなのかもしれない
いったん木々に目をやれば
それでも、木々の身体が
確固として立っている
存在は
影などには回収されない
自己を持つのだ
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